「『ポスト成長』の年明け」を掲げて、【朝日】の社説は始まっています。戦後続いてきた「『成長の時代』が先進国で終りを告げようとしている」「振り返れば経済成長が行き詰まると、成長を取り戻そうとして金融を拡大してバブルを生んできた。その後処理のため財政赤字を積み上げてしまった」「日本も欧米先進国を追って成長を諦めずに国債を乱発してきた」と指摘します。
「昨秋来日したブータン国王夫妻によって示された、物質的充足より心の豊かさを求めて国民総幸福量(GNH)を掲げるブータンの国是に関心が持たれた。しかし経済成長をしないで、巨額の財政赤字を処理しつつ、急激に進む少子高齢化を乗り切れるか。これがつぎの難問となる」と説き、このため朝日社説は「持続可能性」を大原則とすることを提案しています。
そこで取り組むべきは「社会保障と税の一体改革」を実現させて成熟社会の基盤を作ることとしています。
ズバリ具体的に「『危機』乗り越える当事者能力を」そして「ポピュリズムと決別せよ」と説くのが【読売】です。経済危機と財政危機を具体的に述べ、その危機からの脱却のため消費税率引上げによる財政再建を急ぐべきとし、社会保障制度を持続可能にするには、消費税率引上げしかないことを国民に丁寧に説明して、理解を求めるべきと述べ、また自民・公明両党も政権復帰の可能性を見据え、法案成立に協力すべきとします。この際大衆に迎合する政治との決別を強調します。
続いて読売は外交問題ではアジア太平洋での荒波に対応するためアジア重視の姿勢に転じた米国との同盟を深化させ、南西方面の防衛力を向上させることを日本の採るべき道とします。そして沖縄問題の解決が避けて通れず、日米合意の実現のためあらゆる努力をすべきとします。
つぎに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加は農業再生へのチャンスと捉え進めるべきとします。
さらに読売は「安全な原発に更新せよ」とし、安全が十分に確認できた原発から再稼働していくことが必要とし、前首相の無責任な「脱原発」路線と一線を画した現首相の現実に沿った政策を当然とします。国内で古くなった原発を高性能で安全な原発に更新する、という選択枝を排除すべきでないと主張します。
原発については他紙でも取り上げており、反対の立場の【東京】は「民の力今生かそう」という表題の中に、昨年9月に東京で行われた「さようなら原発デモ」が、圧力形成に成功したとの評価をしています。
また朝日は将来世代に核のゴミを残す原発はできるだけ早くゼロにするといって環境重視の経済に組み替えるのが、成熟した社会への切り替えの例としています。
【産経】は「日本復活の合言葉『負けるな』」を掲げ、その例として、福島第一原発の復旧作業現場での例を挙げ、事故後にここで頑張った約500名の作業員の戦いを挙げ、日本の底力として称えており、各領域で日本が強い国に生れかわることが必要とします。そしてまず胆力と構想力を持った指導者が欠かせないとします。
【日経】は民主主義・資本主義の危機といわれる現在、日本としてはグローバル社会で生き抜く事にあるとします。
【毎日】は諸問題を政治プロセスで解決すべきと政治に注文をつけます。
以上簡単に展望してきましたが、各紙の性格を読み取って下さい。
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