総務・広報編集小委員会委員 真砂 威
この大会は、昨年までの全国家庭婦人剣道大会が改組され、新たに「全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会」の名で開催されるものである。
家庭婦人大会は25年前の昭和59年、女性の剣道熱が高まったのを受け、結婚後の活動を後押しをするという意味合いの強い大会としてスタートした。
このほど女性の剣道人口増と実力の向上が顕著となってきたことから、更なる発展を期して本格的大会へ移行することとなった。
この大会は、先に改組された4月の全日本都道府県対抗剣道優勝大会と同様、高校生(先鋒)、大学生(次鋒)の出場枠を設け、「春は男子」「夏は女子」とそれぞれ都道府県対抗の総力戦≠ニ位置づけた。
選手の出場枠並びに選手名は『選手・監督一覧』のとおりであるが、試合時間は従来3分で実施していたのを、本大会では男子と同様の5分で行われる。
先鋒・次鋒を除く出場選手の内訳は、教員が50名と圧倒的に多く、次に主婦24、会社員23と続く。警察官は意外と少なく14名のみ。そのほか団体職員9、非常勤講師4、公務員4、講師3、刑務官3、看護師2で、会社員、自営、大学院生、専門学校生、無職各1名となっている。
組み合わせを見ると、第1ブロックは唐突にも東西の両雄、東京と大阪が至近距離で名を連ねる。順当にいけば4回戦で顔を合わすが、その前に大阪には長崎が、東京には熊本がそれぞれ前に立ちはだかる。
第2ブロックは、1回戦の岡山-京都が面白い。この勝者が4強に駒を進めると思われるが、茨城が虎視眈々と不気味な存在を示す。上のパートは鹿児島が抜きん出ているかに見えるものの初戦の北海道から予断を許さず、奈良、栃木も侮れない。
第3ブロックは、山形、福岡、埼玉が有力。男子勢の活躍めざましい神奈川、家庭婦人大会の勇者で1昨年連覇を果たした三重がこの大会ではどのように面目を発揮するか。
第4ブロックは、大分-兵庫が目を引くものの全般の見通しは立てがたい。先鋒・次鋒のでき如何。しんがりに控える新潟は本年国体開催地、強化の成果が首尾よくあらわれるか。
ちなみに本年8月末ブラジル・サンパウロで行われる第14回世界剣道選手権大会の選手10名のうち佐久間(山形)、村山(埼玉)、新里(新潟)、大辻(大阪)、坪田(岡山)の5名が本大会に出場する。
ともかく都道府県挙げての女子総力戦の幕開けである。ぜひご来場のうえ観戦されたし。
(文中敬称略)
※この文章は、7月14日発行の月刊「剣窓」8月号へ掲載されるものです。
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