全日本剣道連盟
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平成22年度事業計画
平成22年 3月 9日
財団法人全日本剣道連盟

  本連盟は、わが国の伝統と文化に培われた剣道の普及・発展を図るとともに、心身の錬磨による人造りとわが国社会の健全な発展に貢献することを目指す。
  このために、日本の剣道界を統括し代表する団体として、以下の基本方針ならびに重点方策に基づき、平成22年度の事業を展開する。

第1.基本方針
  「剣道の理念」に基づき、社会から高く評価される活力ある剣道界の実現を目指し、国内外各層への剣道普及を図る。

第2.重点方策
1.伝統文化としての剣道の正しい普及と発展のために、教育の充実を図る。
2.中学校武道必修化に伴う剣道の課題を検討して諸施策を立案し、その推進を図る。
3.指導・教育体制の強化を通じて、質の高い剣道を育てる。
4.称号・段位制度の主旨の徹底と適正な運用を図る。
5.試合・審判規則・細則ならびに運営要領を厳正に運用し、指導法と連携を図り審判による試合内容の活性化を図る。
6.国際剣道連盟の活動を支援し、海外を含めた剣道諸団体の健全な育成・強化を図る。
7.資産の効率的な運用と業務処理の効率化による経費節減に努め、財政基盤の強化を図る。
8.一般社会の剣道への理解を深めるため、広報ならびに文化関係事業の展開に注力する。

第3.重点事項
  主な事業(大会、審査会、各種講習会等)は、平成22年度行事日程表(添付)のとおりである。特に本年度は、@中学校武道必修化に伴う諸施策を検討し、その推進を図る。A新公益法人制度に伴う新法人への移行準備を推進する。B指導力の強化・充実を図る。以上、3点に重点を置く。

1.大 会
(1)主催および共催大会の出場枠・開催地等の見直しを検討する。
(2)主催各大会を実施し、その充実を図る。
(3)諸団体の行う重要な大会を後援し、その充実に協力する。

2.普 及
  剣道の質の向上に努めるとともに現場への浸透を図る。
(1)指導、教育、普及の実効を挙げるため、各種講習会の充実と現場への浸透を一層推進する。
(2)加盟団体(各剣連)を主軸とした新しい普及体制の確立を図る。このために、全剣連後援講習会など加盟団体等が行う指導者育成強化のための教育活動に対する支援を強化する。
(3)本連盟刊行の各種規則類、教材および資料の現場への浸透を図る。
(4)剣道への参入者を増やすための指導方策を検討し推進する。
(5)「礼法」の手引書作成のための調査・研究を行う。

3.学校教育関連
  学校教育部会は、普及委員会の重点事項を受けて次のことを行う。
(1)小・中・高等学校、大学における剣道の質的向上を図るための方策を検討する。
(2)小・中・高等学校、大学における指導法を研究するための実態調査を実施する。
(3)中学校における剣道授業普及のための諸施策を検討し推進する。
(4)中学校武道必修化に伴う剣道指導者講習会を実施する。

4.指 導
  指導体制を強化し、剣道の質の向上に努めるとともに現場への浸透を図る。
(1)本連盟刊行の「剣道講習会資料」、「剣道指導要領」、「剣道授業の展開」、「木刀による剣道基本技稽古法」の現場への浸透を図る。
(2)指導法を担当する講師要員の研修会を実施し、後援講習会の実効を挙げる。
(3)「木刀による剣道基本技稽古法」のわかりやすい手引書を作成する。
(4)効果的な指導方法とマニュアル作成の研究を進める。
(5)普及委員会との連携を図り、各連盟のニーズに応える指導法の研究を進める。

5.称号・段位
  称号・段位審査規則に基づく審査の適切、公正な実施と、審査業務および審査会の合理的運営を図る。
(1)称号、段位の審査方法について調査・研究を行う。
(2)剣道級位審査規則の適正な運用を行う。
(3)級位審査の「木刀による剣道基本技稽古法」の導入を推進する。
(4)「障害を持つ人の受審」とその対応・措置について

6.試合・審判
  試合・審判規則とその細則、運営要領の適正な運用を図る。
(1)審判能力・指導力の向上を図るため、実践的研修を行う。
(2)剣道用具の仕様の適正化を図る。
(3)審判員制度について検討する。
(4)女子審判員の育成、審判技術の向上を図る。
(5)各国の審判員育成ならびに、審判技術の向上に向け支援を行う。

7.強 化
  剣道の力量・質等を兼ね備えた剣士の育成・強化を図る。
(1)日本を代表する選手の強化訓練を推進する。
(2)剣道の将来を担う青年層の中核となる剣士を養成するため、第三期の後期選抜特別訓練講習会を推進する。
(3)中堅剣士講習会の趣旨を徹底し、各剣連の中核となる剣士の錬成強化と指導力の養成に努める。

8.居合道
  全剣連居合の徹底を図り、その普及・振興に努める。
(1)中央講習会および地区講習会において全剣連居合の徹底を図る。
(2)審査員ならびに審判員となる者の全剣連居合をはじめ古流の研鑽を進める。
(3)居合道普及のための調査・研究を行う。

9.杖 道
  全剣連杖道の徹底を図り、その普及・振興に努める。
(1)中央講習会および地区講習会において全剣連杖道の徹底を図る。
(2)古流の研鑽を推奨する。
(3)実技審査改定に伴う円滑な運営に努める。
(4)杖道普及のための調査・研究を行う。

10.社会体育指導員養成
  初級・中級・上級各養成講習会および各更新講習会を各地域において展開し、地域指導者の養成ならびに資格取得者の活用を図る。
(1)中学校武道必修化に向け「剣道授業の展開」、「木刀による剣道基本技稽古法」を講習内容に積極的に取り入れ、その活用を図る。
(2)武道専門大学生を対象とした講習会の内容の検討を行い支援する。
(3)更新講習会の今後のあり方について検討する。
(4)資格取得者の活用できる場の推進を図る。

11.国 際
  各国の剣道連盟の独自性を尊重しつつ、剣道の理念を正しく伝達することに努め、普及を促進する。
(1)国際剣道連盟の事務ならびに運営への援助・協力を行う。
(2)国際剣道連盟との連携の下に、海外の剣道界の動きを注視しながら、各地域連盟の組織化を支援する。
(3)海外への指導者の派遣、外国剣道連盟・団体への剣道具の提供、英文の剣道資料 の作成・配布を行う。
(4)国際競技団体連合(GAISF/スポーツアコード)の武術大会に選手・役員を派遣するとともに、参加に向けた業務支援を行う。
(5)外国人審判講習会を実施する。
(6)英文ホームページの充実を図る。

12.広報活動ならびに物販事業
  多角的な広報活動を通じ剣道への認識を深めると共に、剣道への参入者増加を図るための諸施策を推進する。
(1)「剣窓」の内容充実と購読者数の拡大に努める。
(2)ホームページおよびその特設サイト・動画サイトによる情報発信機能を高める。
(3)情報提供を通じマスコミとの連携を深め、剣道の正しい認識と普及に資する。
(4)大会等の録画、録音および全剣連頒布物等の著作権に関する処理を適切に行う。
(5)加盟団体(各剣連)のホームページの開設を支援する。
(6)頒布品販売システム(ネットショップを含む)を有効に活用し、頒布品の販売サービスの向上を図る。
(7)剣道カレンダーの作成・頒布を行う。

13.文化関係事業
(1)平成24年に全剣連創立60周年を迎えるため、記念事業等について検討する。
(2)「剣道映像博物館」の資料等、研究者に対する情報サービスの充実に努める。
(3)第9回剣道文化講演会を実施する。
(4)第14回写真コンテストを実施する。

14.資 料
  東西の資料小委員会の活動を通じ、剣道に関わる歴史的、文化的に価値ある資料の収集、整理、保存に努めるとともに、調査研究成果の刊行、頒布などを行う。

15.安全、医科学関係
(1)剣道における心身の健康・安全に関する調査を進めるとともに、その成果の周知を図り、事故防止および事故処理の報告の徹底に努める。
(2)剣道用具の品質の向上と改良については、製造業者との連携を図り、安全性と機能性の向上に努める。
(3)竹刀および剣道具の規格の遵守徹底を図る。
(4)アンチ・ドーピング委員会の活動を展開する。
(5)アンチ・ドーピング規程に基づいた活動を展開する。
(6)アンチ・ドーピングに関する情報提供と啓発活動を推進する。

16.長期方策の検討
  剣道の長期的発展に向けての基本的方策を策定する。
(1)新公益法人制度に伴う新法人への移行準備を進めるとともに、加盟団体との連携を図る。
(2)全剣連の長期の業務のあり方について調査・研究を行う。
(3)道場建設のための調査・検討を行う。

17.情報処理関係
(1)全剣連登録管理システム再構築のための基本構想を検討する。
(2)加盟団体(各剣連)での登録者管理、称号・段位申請業務のシステム化を支援する。
(3)全剣連データベースシステムの改善と運用の充実を図る。

18.総務、経理関係
  連盟運営の合理化・効率化を推進する。
(1)新法人移行に伴う新会計システムの適正な運用と経理業務の適正化を図る。
(2)各種事務処理を効率的遂行し、運営経費の節減、一般管理費の抑制に努める。
(3)職員の職務遂行能力の向上、自己啓発活動を支援、強化する。

19.表彰事業
  剣道発展のために顕彰制度の適切な運用を行う。

20.対外関係
  関係団体に対する援助・協力、その他関係先との連携強化に努める。
(1)加盟団体(各剣連)、全国組織剣道関係団体との連携の緊密化を図り、その剣道普及振興への援助と協力を行う。
(2)剣道に対する理解・評価を高めるため、関係官庁および関連団体、報道機関等との関係の円滑化を図る。

以 上
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